終わりのない旅を続ける
「さすらいの画家」松下広実
長野県出身 1955年8月10日生(66歳)
終わりのない旅を続ける
「さすらいの画家」
松下広実
長野県出身 1955年8月10日生(66歳)
「絵描きになりたい」
ただその想いだけで旅に出た。
松下は、長野県の南木曽町、中山道は妻籠の商家に生まれ、野山や河原の石ころや木切れなどに、夢中になって絵を描く少年でした。
10代の頃から隣町で油彩を学んでいましたが、「絵描きになりたい」という想いがどうしても抑えられなくなり、キャンバス片手に家を出て、絵画研鑽の旅に出かけました。
廃屋のホテルや公園を寝城に、旅先で絵を描き続け、絵を売りながら何年も過ごしました。しかし、ある時絵画道具を全て失う羽目にあい、その旅は終わりました。
今では、旅の途中で出会った「らんまん」に身を寄せて、午前中は大和民俗公園で風景画を描き、午後にはアトリエで小さな木片に大好きな動物を描くなど、絵画三昧の暮らしをしています。
自分の絵には完成はない。
松下の描く対象は、油彩による古民家や公園の風景画などで、何年も何年も同じ場所に通い、少しずつ絵を仕上げていきます。中には八年以上も完成していない大作も存在します。太陽の光やその反射光を巧みにとらえ、どっしりと重厚感があり、奥行きの深い世界を描きます。
もう一方で、小さな木片をキャンバスに動物たちのイラストを描くことも楽しんでいます。仔犬や仔猫、小鹿などの動物に始まり、時には、妖怪や恐竜と時空を超えてた生き物を描きます。それらは皆、生きとし生きるものへの愛情にあふれ、特にその訴えかける眼差しから目を離せず、儚げが逆説として持つ力強さを持っています。
松下は「自分の絵には、完成がない」と語り、常に昨日より良いものを描きたいという向上心を持ち続けています。それは、絵を描くことで、終わりのない旅の続きを楽しんでいるかのようにも感じます。
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